2003年06月05日 |
経産省「高分子有機ELプロジェクト」住友化学グループ採択へ |
【カテゴリー】:行政/団体 【関連企業・団体】:住友化学、トッキ、NEDO |
住友化学、トッキの両社が共同で、次世代ディスプレイ材料となる「高分子有機EL発光材料」の開発に挑戦する。NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)が公募しでいた、フォーカス21プロジェクトに応募、競合プロジェクトもないところから、採択が確実となった。 高分子有機ELは、現在各社が研究中の低分子ELのさらに先を行くといわれている発光材料で、製膜性に優れ、インクジェット塗布プロセスによるディスプレイの大画面化が可能となる。製造プロセスも大幅短縮され、低コストで生産できるようになる、など画期的な発光材料として注目されている。 また、自発光型のため、液晶ディスプレイと異なり、バックライトを必要としない。このため軽量化、省エネルギー化が実現できる。電気信号に対する分子の応答が速く、動画再生も可能になる、などといった強みももっている。 経産省によると、現在、わが国では住友化学が同材料の研究に取り組んでいるが、海外では米・ダウケミカル、独・コビオンの両社が開発を急いでおり、3社間で熾烈な競争が繰り広げられている。 住友化学グループ両社は、2005年の実用化をめざしているが、今後デファクト・スタンダードを獲得していくためには、とくに青色発光高分子材料の長寿命化と発光効率、高耐水性封止材料の開発が重要課題とされている。 デジタル放送などブロードバンドの普及とともに、市場規模も今後はさらに拡大し、2010年には2.5〜5.7兆円に達すると試算されている。 経産省は、15年度分として、同プロジェクトに対し4億7,000万円(補助率50%)の助成を行う方針である。 |