2003年06月06日
「容リ法」未対応の自治体の多くがごみ発電を実施
プラ協の14年度の自治体訪問調査で明確に
【カテゴリー】:環境/安全
【関連企業・団体】:プラスチック処理促進協会

 全国の自治体のうち、容器包装リサイクル法に基づくプラスチック製容器包装の分別収集にいまだ踏み切っていないところの多くが発電施設によって家庭系廃棄物を処理していることがプラスチック処理促進協会の調査で明らかとなった。
 
 同協会が実施した調査は、13年度の同協会のアンケートに対して「容器包装リサイクル法に基づく分別収集をまだ実施しておらず、これから実施するかどうかを検討中」と答えたところと「いまのところ実施する予定はない」と回答したところを訪問して、それぞれの理由と今後の対応を調べたもの。対象の自治体は合計20で、そのうちの17の自治体が発電施設を保有していて廃プラスチックについても他の家庭ごみと一緒にエネルギー源として利用していることが同協会の訪問調査で明らかになった。
 ただし、今後の計画については「引き続きサーマルリサイクルに徹していく」と回答するところと「廃プラスチックをエネルギー源として利用していくと同時に容器包装リサイクル法に沿っての分別収集も実施していきたい」との意向を示すところとの2通りに分かれることも判明したという。
 
 同協会では、こうした調査結果の詳細を「平成14年度廃プラスチック処理に関する自治体調査報告書」として取りまとめて関係各方面に配布を始めている。調査結果のポイントは以下の通り。
 ▽「容器包装リサイクル法」への対応状況=いわゆる“その他プラ”の分別収集については、「検討中」と回答した8自治体のうちの4自治体が、また、「予定なし」と答えた12自治体のうちの2自治体が、条件付きながら「近い将来実施する予定」との意向を表明した。それ以外のところのうち3自治体は財政面や分別収集の混乱などの理由から「実施予定なし」と答え、6自治体は「サーマルリサイクルしていく」と回答、そして5自治体が広域や近隣の動きを見て決める」と答えた。
 ▽ごみ処理施設の動向=訪問した合計20の自治体のうちの17の自治体が発電施設で余熱を利用していることがわかった。全国レベルでのごみ発電施設数は、1,700施設中230なので、それに比べるとかなり多いといえる。そうした自治体の中には、廃プラを可燃ごみとして収集し、サーマルリサイクルしているところもある。特に、最新のガス化溶融炉を稼動させている自治体の場合は最終処分場の負荷が少なくなり、また、分別収集品目を減らすことができたため住民の好評も得られている。
 ▽プラスチックの収集処理=今回訪問した20の自治体の場合は、従来の調査結果に比べて、廃プラスチックを可燃ごみとして収集し、焼却している自治体の比率が高かった。
 ▽ごみ処理費用=廃プラスチックを含んだ廃棄物の処理費(収集運搬費プラス中間処理費プラス最終処分費)は自治体によって幅があり、トン当たり1万7,000円から6万2,000円の範囲となっている。廃棄物発電でエネルギー回収しているところは、負担が軽減されている。