2003年06月11日
旭硝子財団「ブループラネット賞」米国、ベトナムの3博士受賞
【カテゴリー】:行政/団体
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旭硝子財団(瀬谷博道理事長)は11日、12回目を迎えた地球環境国際賞「ブループラネット賞」を、米国ニューハンプシャー州のハバード渓流域で、40年にわたって生態系の研究を続けている、同国生態系研究所理事長兼所長のジーン・E・ライケンス博士/エール大学教授のF・ハーバート・ボーマン博士の両氏と、戦争で荒廃したベトナムの自然環境を住民参加型のプロジェクトで保全・修復した、ベトナム国際大学ハノイ校教授のヴォー・クイー博士の3氏(2件)に贈ると発表した。
 
 瀬谷理事長の挨拶のあと、近藤次郎顕彰委員長は「ボーマン博士らの研究は、32キロ〓に及ぶ広いハバード渓流域で、降水量と河川水質の変化、草木・土壌中への化学物質の蓄積量などを40年にわたって調査し、バイオマス変遷の予測や、酸性雨対策の必要性を説いてこられた。90年代の大気汚染防止法改正にあたって、米国議会に対し決定的なデータを提供した」。
 
 またベトナムのクイー博士については「戦争のあと、枯葉剤によって破壊された自然環境を修復するため、各種の調査や研究を行い、同国の国土回復のためのマスタープランや、環境保護法のドラフトを作成した。反米でない、住民参加型のプロジェクトによって国土を回復した功績は大きい」と、業績を紹介した。
 
 選考は国内1,100人、海外1,400人のノミネーターから推薦された、138件の候補の中から選考委員会が審査して決めた。表彰式は10月、受賞者にはそれぞれ賞状・トロフィーのほか賞金5,000万円が贈られる。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/03611003.tif