2003年06月12日
三井化学、エラストマーを欧州でも生産へ
現地のコンパンウド企業に委託を計画
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学は、オレフィン系熱可塑性エラストマー(商品名・「ミラストマー」)を欧州でも生産する方針を固めて準備に入った。これは、同エラストマーの需要が日本国内にとどまらず欧州でも自動車の内装材向けを中心に大幅な伸びを続けている点を睨んでのもの。
 
 実際の生産は、ドイツ国内の有力コンパウンド企業に委託していく計画。「ミラストマー」専用のラインを新設して早ければ来年早々からの稼動を促していきたい意向。
 「ミラストマー」は、実用耐熱温度が120度Cと優れた耐熱性を持つこと、揮発性物質が少ないのでフォギング性が低いこと、熱可塑性なので成形しやすいこと--といった特性に加え、リサイクル性が良好なこと、比重が0.89なので軽量なこと、ハロゲンフリーの物質であること--等、自動車内装材に最適な性質を備えている点が大きな強み。このため最近は、特に自動車メーカーの間で人気が急上昇、世界全体でもトップのシェアを確保するにいたっている。
 これまで欧州市場の需要には、同社の市原工場から製品を輸出して対応してきた。しかし需要の伸びが高く、今後も成長が確実視されることから現地生産に切り替えてニーズにより的確かつ迅速に対応していくことにしたもの。