2003年06月13日
BP-A業界がエンドクリン問題で見解表明
「通常の河川中の濃度では魚類に影響およぼさず」
【カテゴリー】:環境/安全
【関連企業・団体】:三井化学、環境省

 新日鉄化学、三井化学などビスフェノール-A(BP-A)の企業化メーカー5社で構成する「ビスフェノールA安全性5社研究会」は12日、環境省が同日に発表した「魚類に対するBP-Aの試験結果」についての同研究会の見解を明らかにした。
 
 その要旨は「通常の河川中の濃度では、メダカに代表される魚類が有害な影響を受けることがないと考える」というもの。
 同日の環境省の発表(平成15年度第1回内分泌攪乱化学物質問題検討会への報告)は、「予備的な試験において、BP-Aがメダカに対して弱いながらもメダカエストロゲン受容体との結合性等があることが認められたため、さらに環境中濃度を考慮した詳細な試験を実施し、その結果を踏まえて評価を行う」というものであった。
 
 これに対して同研究会では、はじめに「河川中で検出されるよりもはるかに高い濃度のBP-Aがメダカの繁殖に影響をおよぼすことがある点は文献等からかねて認識していたことであり、したがって今回の環境省の発表は従来の報告と同様の内容と受け止めている」と前置きしたうえで、「環境省や国土交通省が実施した調査による河川のBP-Aの濃度は、今回の環境省の発表の中で“メダカの繁殖に影響がある”と指摘されている最低濃度の数百分の一〜数千分の一となっている」と指摘、「したがって、通常の河川中の濃度なら魚類が有害な影響を受けることはない」といえると主張している。
 
 一方同研究会では、これに合わせて「さきの行政当局による環境調査の発表いらい会員各社が環境中へのBP-Aの排出実態を調査するとともに、顧客に対しても排出削減を要請するなど環境中への排出量削減に努力している」とのコメントも明らかにしている。