2003年06月13日
コニカが真空蒸着不用の大気プラズマCVD法を実用化へ
有機ELディスプレイのプラスチック・フィルムなどに応用
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:NEDO

 有機ELや液晶パネルの発光層、基板を製作する際の真空蒸着法が、ケンブリッジ・ディスプレイ・テクノロジー社によるインクジェット方式の開発で「脱蒸着」の方向にあるが、このインクジェット方式を上回る性能のナノテク技術が登場しそうな動きがでてきた。
 
 この技術は大気圧プラズマCVD(ケミカルベーパーデポジション)法と呼ばれ、真空プラズマCVD法に対して多層薄膜を生成する際、塗布の工程と組み合わせが容易にでき、これはプラズマ中のガス分子が高濃度、電子が高密度のためといわれる。
 
 ロール状のプラスチック・フィルム基材を使って、いくつかの材料をナノメートル・オーダーで積層できる。真空法に比べ最大100倍の生産効率が得られるという。すでに液晶ディスプレイ用の反射防止フィルムなどの試作で成果を上げている。
 
 技術開発はコニカの研究開発会社であるコニカテクノロジーセンターが東京工芸大学と連携して進めた。さる4月にはNEDOから「大気圧プラズマCVDによるナノ薄膜積層型高機能光学フィルムの開発」事業として補助金(3億円)を交付された。
 
 向こう1年間で量産用の大気圧プラズマCVD装置をつくり、幅1〜2メートルのフィルムを基材に使う高速積層生産法を確立する。
 なお、この計画は平成14年度補正予算として「産学官連携型産業技術実用化開発補助事業」に採択された。