2003年06月16日
ノバの米国のSM工場、30〜40日間の操業停止へ
フォースマジュールは宣言せず
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 ノバ・ケミカルズによると、11日に関連装置の火災・爆発事故によって運休となった同社・テキサス工場のスチレンモノマ−(SM)設備は、向こう30日〜40日間操業が不可能な状態にあることがはっきりしたという。復旧・稼動再開は7月末となる可能性がある。

 今回の事故で運休となったSM装置の生産能力は年56万7,000tときわめて巨大。このため国際トレーダーの多くがSMのスポット相場を吊り上げている。それに伴い、需給バランスが均衡しているアジア市場の直近のオファー価格の中にはCFRトン当たり700ドルの大台を20〜30ドル上回るものも現れている。

 しかし、米国の需給には以前からかなり余裕があるので、今回の事故についてもノバはフォースマジュール宣言は出していない。カナダの43万1,000tプラントの稼働率の引き上げや、同社自身の誘導品設備の稼動調整、さらには同業他社からの応援出荷などで当面の需給に混乱をきたす心配はないとの見通しを得たためと見られる。

 こうしたこともあって、日本のSMメーカーの多くは、現在のアジア相場の高騰も早晩終息すると予想している。