2003年06月16日
出光石化、徳山のSMプラント調整運転終る
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:旭化成

 出光石油化学は、先週末をもって徳山工場内のスチレンモノマー(SM)設備の稼働率調整を終了した。15日から徐々に稼働率を引き上げており、一両日中にも通常のレベルに戻る見通しである。

 同工場のSMプラントの生産能力は年34万t。同社では、5月25日以降この装置の稼働率を70%に抑えてきた。在庫調整のため30%の減産に踏み切っていたもので、折から旭化成・水島工場内の年産46万tのSM設備のうちの31万t装置が山陽石油化学・水島工場のプロピレンコンプレッサーの制御トラブルによるエチレンプラントの操業の一時停止の影響で約10日間運休となったことが重なり、アジア市場に緊張感が広まった。また、韓国の三星綜合化学のSMプラントの春の定修が予定より長引いたことも心理的に影響したといえる。

 しかし、旭化成が6月5日から山陽石油化学のエチレンプラントと同様にSM装置の操業を再開したのに続いて出光石油化学も減産に終止符を打ったことから、需要家の間の心理不安は解消に向かうものと見られる。ただ、今後2ヶ月間は、日本、韓国、台湾、マレーシアの各国でSMプラントの定修理のための運休が相次ぐ見通しにあるので、需給はタイトバランスで推移する公算が強い。