2001年12月10日
中外製薬とロシュ「戦略的アライアンスに調印」
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:中外製薬

 スイス・ロシュと中外製薬の両社は10日記者会見し、日本国内における両社の医薬品事業(OTCを含む)の統合を柱とする戦略的アライアンスを締結することで合意し基本契約に調印したと発表した。

 これによりロシュは、世界第2位の日本市場で強固な新薬開発・販売基盤を確立するとともに日本発創薬パイプラインへのアクセスを通じてR&D機能を拡大し、グローバル競争における優位性をさらに強化していくことが可能になったとしている。

 アライアンスは、(1)中外製薬とロシュの100%子会社である日本ロシュが合併し、日本での医薬品事業を統合する。存続会社及び社名は中外製薬とする。(2)ロシュは、中外製薬の発行済み株式の50.1%を取得する。

(3)中外製薬はロシュの日本市場における唯一の医薬品事業会社となり、同社グループがもつ開発候補品の日本での開発・販売権について第一選択権を保有する。(4)中外製薬が必要と判断した場合、ロシュは中外製薬が持つ開発候補品の海外(韓国を除く)における開発・販売権について第一選択権を保有する。

(5)中外製薬は、ロシュによる株式取得に先立ち100%保有の米国診断薬子会社、ジエン・ブローブ・インコーポレーテッドの株式を有償減資により中外製薬の株主に分配しスピンオフを実施する、となっている。

 両社はこのアライアンスについて、通常の企業買収や合弁事業と異なる新しいビジネスモデルの確立を目指したものだとしている。

 中外製薬社長の永山治氏は引き続き新生中外製薬の社長、日本ロシュの小川渉社長は専務に就任する。またロシュのフランツ B・フーマー会長兼CEO、ウイリアム M・バーンズ医薬品事業本部長、日本ロシュの繁田寛昭会長の3氏はそれぞれ取締役に就任の予定。

 中外製薬は1943年の設立、資本金23,993百万円で従業員4,886人、2002年3月期の売上高予想(連結)は2,030億円、経常利益294億円、、一方の日本ロシュは設立が1932年で資本金は24,300百万円、従業員1691人。2001年12月期売上高予想(単体)は733億円、経常利益は107億円の見込み。