2001年12月10日
「アセアン化学政策対話」次回からスペシャリティーケミカルも議題に
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:東ソー、経済産業省

 経済産業省の本庄孝志化学課長は10日記者会見し、6~7の両日ベトナム・ハノイ市で開催された第6回「化学産業専門家会合(AMEICC・WGCI)」について、「アセアン各国は中国の需要が増大する中で、中東諸国の供給圧力が強まるとの見方が浸透している。ライフサイエンスやスペシャリティー・ケミカルへの関心も高まって次回の会合でとり上げることになった」など同会合の印象や成果を語った

 同会合はアセアン9カ国の官・民代表19人のほか日本から東ソーの太田垣啓一常務ら6氏が出席して開いた。
 主な議題は(1)アセアン各国の化学産業の現状と課題報告(2)統計整備と民間の役割(3)アセアンにおける投資環境(4)環境・安全と情報交換、技術協力の4項目。
 
 各国からは終始活発な意見が出されたが、特に石油化学の現状、課題については「中東諸国では大型増設が行われており、今後同地域からの供給圧力が強まるとの見方が相当程度浸透していると感じられた」という。
 同課長は「コスト下げの努力も必要になるとの点でも共通認識がもたれたのではないか」と語った。
 
 また、シンガポール、マレーシア、インドネシアなどの国からは、石油化学よりもライフサイエンスやスペシャリティーケミカルへの関心が強く示された。「このため次回会合ではこれをとり上げることにした。これらの分野を視野に入れていくことは道筋として結構なことだと思う」との考えを示した。
 
 投資環境整備では日本の専門家からアジア市場の現状についての説明が行われたが、「ユーザーの側から見たアジア市場の動向やポリオレフイン業界への期待などを聞く必要があるというので、次回家電メーカーの代表から説明を受けることにした」という。

“アセアン政策対話”は1999年5月の第1回会合以来、回数を重ね、ようやく多くの点で共通認識が得られ、相互理解も深まってきたようだ。
 次回は2002年4~5月、マレーシアのクアンタンで開催する