2003年06月24日
アセトン、MIBKとも新価格が浸透
三井化学などの説得が奏功
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学など溶剤メーカーによるアセトンとMIBKの価格是正が先週末までに全ての需要家に受け入れられた。上げ幅は、月によって異なるが、4月から6月までの3ヶ月の平均を取るといずれの製品もキログラム当たり10円となる。

 今回の価格修正で注目される点は、リーディングカンパニーの三井化学が両製品の価格を原料ナフサ価格の変動に合わせて月単位で改めていくことにしたことにある。適用期間を短期に限定したナフサスライド制を取り入れるという点がこれまでの石油化学製品の価格の取り決め方法と大きくことなるところ。このため、ユーザー各社がどんな反応を示すかが注目されていたが、全ての需要家が説得に応じた。

 この期間のナフサの価格は月によって大きく変動した。したがって両製品の上げ幅も月によってかなり異なる。4月の新価格は、1キロリットル当たり2万9,600円となったナフサ価格見合いに改められた。その反面5月の価格は2万6,000円見合いに修正され、そして6月分は2万4,000円レベルとなる見通しにある。

 こうした同社の新しい価格決定方式をユーザー各社が受け入れたのは、このシステムの持つ整合性を認めるところが多かったのと、もう一つは需要の好調もあって全体の需給が一段と引き締まってきたことも大きく影響したためと見られる。