2003年06月25日
三井化学、LCD反射材料の新品種を開発
高輝度・省電力化型シリーズをラインアップ
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学はこのほどLCD反射材料の新品種2種を開発、「ホワイトリフレクター」と「ホワイトレフスター」の商標で販売活動を開始した。これによって同社のLCD反射材料はランプリフレクターシリーズ3種、反射フィルムシリーズ3種の合計6種となり、多様化する市場のニーズに一層フレキシブルに対応していける体制が整った。
 
 今回同社がラインアップした2品種は、光を正反射する仕組みの既存の品種(銀反射品種)と異なり、光を拡散反射するように設計した新タイプの反射材料。同社ではこれら2品種を、「白反射型」あるいは「拡散反射型」と呼称している。いずれも同社が得意とするポリマーサイエンスとフィルム延伸技術とを組み合わせて開発したもので、可視光線反射率が98%という世界最高レベルの超高反射メカニズムと優れた耐光性とを兼ね備えている点が最大の特徴。つまり高輝度と省電力化・長寿命性が大きな強みということができる。ポリプロピレンと無機フィラーの界面に最適な孔を作ることでこれまでにない高い反射率が得られるようにしたのが重要なポイントとされる。
 新規企業化2品種のうちの「ホワイトリフレクター」は、LCDバックライト中のランプリフレクターとして開発されたもの。同社では、肉厚180μmの「WS-180シリ−ズ」と同100μmの「WS-100シリーズ」を準備、主として中型ノートPCやPCモニター向けに販売していく。
 一方の「ホワイトレフスター」は、今後の高成長が期待される大型液晶TV向けを主なタ−ゲットに開発された反射シート。企業化品種は、肉厚180μmの「WS-180シリーズ」、同80μmの「同80シリーズ」、同100μmの「同100シリーズ」--の3品種。いずれも、反射率が98%と既存の製品を2ポイント上回る高輝度を有すること、寿命が8万時間以上と長いこと、黄変の心配がないこと、コストパフォーマンスに優れること--などの強みを持つことから大型液晶TV向けに最適とされる。
 
 これまで同社は、銀反射型(正反射型)のランプリフレクター2種と反射フィルム2種(1種は正反射プラス拡散反射型)を企業化、LCD反射材料分野に強力な基盤を構築してきている。今回の白反射材料のラインアップによって、ノートPC分野の地歩を一段と強化するのに加えて04年から本格化する大型液晶TVの普及にも大きく貢献していくことになりそう。