2003年06月30日
塩ビ樹脂の中国向け輸出価格、再び600ドル台に
7月はクリスマス商品の生産に拍車かかる
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:大洋塩ビ

 大洋塩ビなどわが国の塩ビ樹脂メーカーや大手商社が中国の需要家ならびにトレーダー筋と進めていた塩ビ樹脂の7月の輸出価格交渉がこのほどまとまった。7月渡し分のCFR価格はトン当たり600〜610ドルで、6月分に比べると同50ドルの値上げとなる。

 わが国による中国向けの塩ビ樹脂の輸出価格は、3月の710〜720ドルをピークに下降線をたどり、5〜6月の2ヶ月は同540〜560ドルの低水準まで落ち込んでいた。7月は3ヶ月ぶりに600ドル台に戻ることになったわけだが、この要因は、SARS問題に終止符が打たれたのに伴って同国の樹脂加工メーカーが米国のクリスマス向け塩ビ製品の生産に一気に拍車をかけはじめて需給が急速にタイト化してきたことにあると見られる。
 
 例年だと、米国向けのプラスチック製クリスマス商品の生産は6月がピークだが、今年はSARS問題が影響して各社とも本格的な生産活動に入れないままきていた。そのままいくと、今年のクリスマス商品の生産は従来の規模を大幅に下回る公算が濃厚であったが、どうやらぎりぎりのタイミングで期限内に納入されることになりそう。ただし、日本国内の現在の需給バランスから判断すると日本側が7月中に中国に輸出できる数量は従来の規模の半分ていどにとどまるのではないかと見られている。