2003年07月01日
プラ協が廃プラ処理・処分のエコ効率分析の結果を発表
環境と経済の両面から焼却発電が最適と分析
【カテゴリー】:環境/安全
【関連企業・団体】:プラスチック処理促進協会

 プラスチック処理促進協会はこのほど、同協会が02年度の事業活動の一環として実施した「廃プラスチックの処理・処分システムのエコ効率分析」の結果を明らかにした。それによると、「環境と経済の両面から捉えるとサーマルリサイクル(焼却発電)が最も望ましい」との結論が得られたとしている。
 
 今回の発表内容は、容器包装リサイクル法に沿って分別収集されたプラスチック製容器包装廃棄物を対象に、それらの廃棄物の処理・処分が環境にどういった影響を与えるかをLCA法を使って検討してきた結果をまとめたもの。同協会独自の「製品バスケット法」を用いて、環境に及ぼす影響面だけでなく経済性の面からも客観的かつ定量的に評価を下すようにした点が大きな特徴。
 
 この結果、得られた結論は3点に集約されるとしている。すなわち
 (1)エコ効率分析の観点からはサーマルリサイクル(TR:焼却発電)が最も望ましい。
 (2)ケミカルリサイクル(CR)は、環境負荷の面ではTRに比べて若干良好だが、処理費が高いのでエコ効率の視点からは優位性が発揮されない。
 (3)マテリアルリサイクル(MR)については、新規樹脂代替率が30%の場合、エコ効率の視点からは埋め立て処分と同程度となる。
の3点を挙げている。
 
 また、各種リサイクル手法に必要な改善点としても以下の三つの点を挙げている。
 (1)TRはCO2の排出対策が課題であり、ごみ発電の効率を引き上げていくことによって、火力発電で生産する電力を少しでも多くカバーしていくようにすること。
 (2)CRについては、環境面のバランスこそ取れた手法といえるものの、経済性の改善が必要。
 (3)MRについては、固形廃棄物の排出削減、付加価値の高い用途の開発、経済性の改善は必要。