2003年07月01日
住友化学、農業用特殊ポリオレフィンフィルム事業を再編
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:稲畑産業、住友化学

 住友化学は1日、住化プラステックが展開してきた農業用特殊ポリオレフィンフィルム(農PO)事業を、三善加工に移管し、同社の農PO事業と統合したと発表した。三善加工は農PO製品(商品名クリンテートR)の発売以来、業界トップメーカーの地位にあるが、今回の事業統合によりさらに基盤を強化する。

 今回事業統合した農POは、農業用ハウスの被覆資材として施設園芸農家で用いられているもので、従来から主流となっている農業用塩化ビニルフィルム(農ビ)と比較しても、透明性や、強度、夜間の保温性など性能は同等以上。また可塑剤を含まないため使用中の汚れが少なく長期間使用できる。農ビに比べて軽量のため作業性に優れるなどから、農ビに代わる被覆資材として需要が増加している。
 
 さらに、農POは塩素を含有していないため、廃棄物処理してもダイオキシン類などの有害物排出の懸念がなく、環境問題に対する関心の高まりとともに、農ビから農POへのシフトは今後着実に進行していくと見ている。

 住友化学グループの農PO事業は、これまで住化プラステック、三善加工両社が製造、販売および研究開発面で密接な協力関係のもと事業運営してきた。しかし、農PO事業に20社近い企業が参入し、熾烈な競争が続いている。このため、同事業の一層の発展を図るには、顧客ニーズへの迅速な対応、研究開発力の強化、徹底したコスト削減を実現していくことが不可欠としている。

【三善加工株式会社の概要】
(1)設立:1955年7月
(2)本社:東京都江東区
(3)資本金:200百万円
(4)出資比率:住友化学52.1%、住化プラステック25.0%、全農管財〓10.2%、稲畑産業〓10.2%、農林中央金庫2.5%
(5)事業内容:農業用各種ポリオレフィンフィルム/農業用ハウス施設/その他農業用各種資材/機能性フィルムの製造、販売
(6)社長:北村周治氏

【住化プラステック株式会社の概要】
(1)設立:1997年1月
(2)本社:東京都中央区
(3)資本金:324百万円
(4)出資比率:住友化学100%
(5)事業内容:合成樹脂製の産業資材/建設資材の開発、製造、販売
(6)社長:土井敏樹氏

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/cgi-bin/fax/search.cgi?CODE=1137