2001年12月07日
中国政府、今度はカプロラクタムで日本など5カ国対象にアンチダンピング調査
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:宇部興産、住友化学、東レ、三菱化学、経済産業省

 経済産業省によると、中国政府(対外貿易経済合作部)は7日、日本、ベルギー、ドイツ、オランダ、ロシア製のカプロラクタムを対象とした「アンチダンピング調査」実施を正式に公告した。
 
 今後中国のAD規則「反ダンピング及び反補助金条例」に基づき、調査対象国からの輸入に関するダンピングの状況や中国の国内産業に与えた損害の状況に関する調査が行われる。

 調査結果に基づくアンチダンピング課税賦課に関する決定は、通常調査開始日から1年以内に行われる、としている。

 カプロラクタムは、ナイロン繊維やナイロン樹脂の原料となる有機化学品で、わが国では宇部興産が堺、宇部の両工場に計年産20万トンのほか、住友化学が愛媛に9万3000トン、東レが東海、名古屋両工場に17万4000トン、三菱化学が黒崎に7万2000トンと、4社合わせて53万9000トンの設備があり操業中。
 
 輸出量は20万トン強で、国内向けに比べて輸出比率は高く、うち中国には5万トン近い輸出を行ってきている。

 中国政府は6日にポリスチレンのダンピング調査を終了(結果は「シロ判定」)したばかりだった。
 
 これについて、宇部興産広報室では「突然のことで驚いている。詳細な情報を入手しだい対応を検討したい」といっている。