2003年07月03日
中国の樹脂輸入、5月は汎用樹脂の多くが大幅減
機能性樹脂は引き続き活発で前年を上回る
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 大手商社の調べによると、中国による汎用樹脂の5月の輸入通関数量は引き続き多くの品種が前年同月を大きく下回った。しかし機能性樹脂の輸入はごく一部を除いて前年超えとなっている。
 
 5月の輸入通関数量が前年同月を下回った樹脂は、LDPE、PP、PS、PVCの各汎用樹脂とPMMAの計5品種。このなかではLDPEが前年同月を49.6%も下回っている点が特に目を引く。同樹脂の前年同月割れは、今年に入ってこれで5ヶ月連続となった。PSとPVC(ただしホモポリマー)は4ヶ月続いての前年同月割れである。PPは3ヶ月連続の、またPMMAは2ヶ月連続の前年同月割れでとなっている。汎用樹脂の落ち込みにはSARS問題が少なからず影響していると見られている。ただし、PMMAの縮小は日本の同樹脂メーカーが国内需要の拡大に追われて輸出を抑制せざるを得なかったことによるところが大きかったようだ。
 
 中国の各樹脂の5月の輸入通関数量は以下の通り。単位はトン。かっこ内は前年比。右は1月からの累計。
 
 ▽LDPE   84,235(50.4%) 618,900(55.0%)
 ▽HDPE   153,794(101.8%) 856,011(98.1%)
 ▽PP    167,340(85.5%) 984,504(94.3%)
 ▽PS 106,471(96.7%) 540,925(90.4%)
 ▽PVC   115,075(89.7%) 713,779(83.1%)
 ▽ABS   130,571(114.5%) 661,451(101.1%)
 ▽PMMA    7,314(76.9%) 44,332(97.4%)
 ▽PC 38,261(111.2%) 203,027(143.6%)
 ▽POM    11,958(107.1%) 60,796(109.1%)
 ▽PBT    12,125(132.2%) 60,206(133.1%)
 ▽PA    10,699(94.0%) 65,416(143.1%)