2003年07月07日 |
中国のフェノールの国内価格と輸入価格が急騰 |
ADのクロ裁定で米国からの輸入が激減 |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品 【関連企業・団体】:三井化学 |
わが国の大手商社やフェノールメーカー筋によると、ここにきて中国におけるフェノールの国内価格と輸入価格がともに急騰している。 7月の国内価格はトン当たり7,800〜7,900元となっており、前月の平均に比べて800〜900元高くなっている。一方、輸入価格はCFR同760〜780ドルで6月の平均を40〜60ドル上回るレベルに達している。 急騰の最大の要因は、中国政府が6月9日に米国、日本、韓国、台湾の各国を対象に下したフェノールのアンチダンピングのクロ裁定(仮決定)によって米国からの輸入が激減したことにあると見られている。中国のフノールの輸入数量は年間ほぼ35万トンで、そのほとんどが米国品で占められている。その米国品に対して中国は29%ものAD税をかけることにしたため一気に輸入が歯止めがかかる事態となったもの。 日本の企業に対するAD税は、三井化学の7%に象徴されるようにきわめて低い。しかし、日本側各社にはもともと輸出余力が乏しいので中国の旺盛な需要に対応できる状況になく、このため、中国国内の需給が急速に逼迫するにいたっている。この状態は当分の間続きそう。 |