2003年07月08日
今年上期のエチレン生産量は364万7,100t
前年同期を6.3%上回る予想以上の高水準
【カテゴリー】:実績/統計
【関連企業・団体】:経済産業省

 経済産業省製造産業局が8日に明らかにしたところによると、エチレンの今年上期(1~6月)の総生産量は364万7,100tとなった。前年同期の実績を6.3%上回っている。
 
 同局が昨年12月にまとめた今年のエチレンの総生産見通し(必要量)は708万tで、前年比は1.3%減となっていた。対する上期の実績は、途中ラップとはいえ当時の同局の予想を大きく上回る規模となったといえる。上期のうちの第1・四半期の総生産量は190万7,000tで前年同期比を7.4%上回っている。第2・四半期の実績は174万100tで同5.0%増となっている。
 特に第1・四半期の伸びの大きさが目を引くが、これには、ナフサ価格の高騰に対処しての各種誘導品メーカーの価格修正を前にして大量の前倒し需要が発生したことが少なからず作用したと見られる。第1・四半期の各月のエチレンプラントの平均稼動率は1月が98.8%、2月が97.6%、3月が98.1%であった。
 一方の第2・四半期の総生産量は前期を下回り、また前年同期に対する伸び率も前期を下回った。この最大の要因は、汎用樹脂など主要誘導品の国内需要が前期の仮需の反動で縮小したことにあると見られる。稼動プラントの各月の平均稼動率は、4月こそ97.5%であったが5月は94.9%に低下し、6月も95.4%にとどまった。また、同期の生産量が前期を下回った要因の一つには、運転トラブル等からエチレンプラントの操業を中断するところがいくつか出たことも挙げられる。