2003年07月11日
三菱化学、フェノールチェーンの設備増強を完了
フェノールは年産25万t、アセトンは15万t能力に
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:三菱化学

 三菱化学は鹿島事業所内でフェノールとその関連製品の設備の増強工事を進めていたが、このほど完工した。来週中に試運転に入ることになりそう。

 今回の増強工事は、ビスフェノールAなど同社自身が手がけているフェノール誘導品の需要の拡大によって供給力不足の事態に陥っていたフェノールの増産体制を整えることを目的としたもの。具体的には、原料のキュメンの設備能力を従来の年産27万tから同34万tに拡大、合わせてフェノールの生産能力をこれまでの同18万tから同25万tに増強することにして工事を進めてきた。工事期間は、一連の設備の定期修理をスタートさせた5月17日からの2ヶ月弱であった。今回の増強に伴って、副生するアセトンの最大生産可能量も従来の同11万tから15万tに拡大された。

 これまで同社は、フェノールの供給力不足を他のフェノールメーカーからの手当てで補ってきた。しかし8月上旬には一連の設備がフル稼動に入れる見通しなので、その時点で外部購入を打ち切ることになる。なお、同社のフェノール誘導品の同社ならびに同社グループ企業の設備能力は、ビスフェノールAが同20万t、アルキルフェノールが同15万t、ポリカーボネートが27万8,000tなどとなっており、自消率が極めて高い。