2003年07月14日 |
白色LEDの開発、照明用で急速に進む |
愛知万博でのパビリオン出展も検討 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:昭和電工、住友化学、NEDO |
電球(40W)の約8倍、けい光灯の約2倍の明るさを持ち、寿命(半永久的)が長く、消費電力が少ないという照明用の白色発光ダイオード(LED)の開発が急速に進んでいる。液晶ディスプレイのバックライト、道路や鉄道の信号機などにはすでに普及しはじめているが、自動車、住宅などの照明の用途はこれからであり、住友化学、昭和電工、住友電工、スタンレー電機、山田照明など10数社が競っている。 経産省とNEDOの「21世紀のあかりプロジェクト」にはこれらのメーカーのほか山口大学、金属系材料研究開発センターも参加、ことしの3月に一応の研究を完了した。 これらのグループは金属系材料研究開発センターに「21世紀のあかり推進部」を設置して、引き続き情報交換を行っている。21世紀のあかりプロジェクトの第二期計画ではないが、グループとしては2005年の3月〜9月に開かれる愛知万博への大掛かりなパビリオンの出展も検討しているという。 第1の課題としてはけい光灯1本1,000円のコストに対し、白色発光ダイオードでは1万円もするというコスト差の解消にある。これはあるていど量産化に頼るところが多いが、21世紀のあかりプロジェクトのチームが目標にかかげた近紫外線LEDと3原色けい光体の組み合わせによる新タイプの照明法が注目されている。 新タイプの白色LEDは、けい光と類似の発光原理だが、大気中で近紫外LEDからの特定波長の励起によってけい光体が発光するため、発光メカニズムが極めて単純であり、けい光体の物性制御、構造制御、新規材料探求によって白色光源の性能が飛躍的に向上する可能性があるといわれる。 白色LEDは携帯電話のディスプレイや信号灯(全市場で約180万個)などに普及しはじめている。また、自動車のテールランプ、ドアランプなどへの採用も進んでいる。欧州ではこれら自動車用ランプの80%ていどがLEDに切り換えられており、わが国での普及も進む見通しにある。 住宅用の照明に代替すれば、70%ていどの代替率で約5,000億円の市場が見込めるという見方もある。 なお、半導体材料の1つである化合物半導体を用いた発光ダイオードはチッ化ガリウム結晶基板の開発がポイントとなっている。 |