2003年07月15日 |
PSの6月の国内向け出荷、前年を2%下回る |
4〜6月期も前年の8%減、上期計は前年の横並び |
【カテゴリー】:実績/統計 【関連企業・団体】:PSジャパン、日本ポリスチレン、日本スチレン工業会 |
日本スチレン工業会は15日、ポリスチレン(PS)の6月ならびに4〜6月期トータルの生産・出荷実績を明らかにした。 それによると、6月の実績は、生産が前年同月比7%減の7万7,430t、出荷も同じく同7%減の7万7,338tとなった。 生産が前年を下回ったのは、2社・3工場が定修を実施したことと、一部のPSメーカーが減産に踏み切ったことによるもの。 一方の出荷の減少は、国内向けが同2%減の7万2,473tにとどまったのに加えて、輸出が同44%減という大幅な落ち込みとなったのが大きく影響してのもの。国内向けは、雑貨・産業用こそ3%増となったものの、電機工業用、包装用、FS用の3分野が前年を3〜4%下回ったのが響いて3ヶ月連続の前年同月割れとなった。輸出の大幅減は、香港を含む中国向けが著しく縮小したことによるもの。PS各社が採算割れとなる商談を思い切って見送る政策を取ったことによるところが大きいようだ。 月末在庫は、前年同月を47%上回った。これは、PSジャパンの年産8万5,000t設備の廃棄と日本ポリスチレンの7月の定修に備えて各社が備蓄を増やしたことによるもの。しかし同樹脂メーカーの間では、「7月以降は国内需要の回復と定修ならびに設備廃棄による生産の縮小によって在庫は確実に縮小していく見通しにあり、8月末には9万t前後まで減る」(荒浪淳・PSジャパン社長ら)との見方が多い。 これに伴う4〜6月期トータルの実績は、生産が前年同期比5%増の25万5,540t、出荷が同15%減の22万8,862tとなった。このうちの国内向け出荷は同8%減の21万5,351tとなっている。1〜3月期の先行需要の反動が大きな要因と見られている。電機工業用は2%の減少にとどまったが、FS用の15%減、雑貨産業用の10%減、包装用の7%減が響いた。輸出は59%もの減少となっているが、これはアジア市場の需要不振に加えてわが国のPS各社が採算を維持できないオファーを拒否する行動に出たためとと見られている。 この結果、今年上期(1〜6月)の出荷実績は、国内向けが前年同期の横並びの44万8,151t、輸出が同43%減の4万3,790t、出荷合計が同6%減の49万1,941tとなった。国内向けのうち、電機工業用は同3%増、包装用は同2%減、雑貨産業用は同4%増、FS用は同2%減--となっている。 ●SM・PS6月実績 http://www.chem-t.com/fax/images/03715002.tif |