2003年07月16日
アジアでの欧米等からのオレフィンの陸揚げ始まる
8月以降の流入はしばらく皆無の見通し
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 大手商社筋によると、インドネシア、台湾などアジア地域各地において、域外からスポットで持ち込まれたオレフィンの陸揚げが相次いで始まった。

 これは、今年4月から5月にかけて需給に余裕が生じた米国や欧州、さらにはリビア等の国々から船積みされたエチレンとプロピレンが順次アジア各地に到着し始めたことによるもの。

 エチレンは欧州とリビアから合計4万tが、またプロピレンは米国から同じく4万tが入ってきつつある模様。エチレンはインドネシアとマレーシアに、プロピレンは台湾、フィリピン、インドネシアの各国に持ち込まれている。6月末から陸揚げがスタート、8月初旬まで続く見通しにある。

 オレフィンがここにきて集中的にアジア地域に持ち込まれるようになったのは、同地域のエチレンセンターの定期修理などの事情によって急遽外部から調達せざるを得ないところが出てきたことと、欧米やリビアの当時の仕切り価格がアジア地域の平均相場を下回っていたことが重なったためと見られる。

 ただし5月以降は、ナフサの高騰とアジア地域のオレフィンのスポット相場の下降を睨んで欧米や中東勢もアジア地域向けの契約を見合わせており、このため域外からのオレフィンのアジア地域への流入はしばらく完全に途絶える公算が強い。