2003年07月23日
タカラバイオ、伊・モルメド社と白血病の遺伝子治療臨床開発へ
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:タカラバイオ

タカラバイオ(加藤郁之進社長)は23日、イタリア聖ラファエル・サイエンスパークにある遺伝子治療企業モルメド社(ミラノ市、クラウディオ・ボーディニヨン社長)と提携し、白血病などの造血器腫瘍を対象とした遺伝子治療を日本、中国、韓国、シンガポールをはじめとしたアジア及び極東ロシアで独占的に展開すると発表した。

 モルメド社は、遺伝子治療技術の開発・商業化を行う企業で、遺伝子治療用の細胞やベクターのGMP生産および、白血病、肺ガン、前立腺がん、エイズなどの遺伝子治療の商業化を目指して、これらの遺伝子治療に関連する基幹技術や特許を所有している。
 
 タカラバイオ社は、モルメド社のもつ(1)白血病などの造血器腫瘍、(2)非小細胞肺ガンなどの固形腫瘍、(3) HIV感染症(エイズ)を対象とした遺伝子治療に必要な諸技術のアジアでの独占実施権を得ることで基本合意していたが、今回、白血病などの造血器腫瘍を対象とした遺伝子治療について正式契約を締結した。日本では、白血病などの造血器腫瘍で毎年約20,000人が死亡している。

 同社は今後、モルメド社と協力してアジアでの遺伝子治療を本格展開する。モルメド社は、ヨーロッパで造血器腫瘍を対象にHSV-TKを用いた遺伝子治療臨床試験フェーズ〓/〓を展開中で、23症例について安全性を確認している。その中で生じた副作用であるGVHDについてもガンシクロビルの投与による沈静化が確認されている。タカラバイオ社は、今後アジア圏を中心に臨床開発を展開、両社の臨床データ共有によって遺伝子治療の商業化をより強力に推進させることができるとしている。


ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/030723tbo.doc