2003年07月28日
昭和電工、酢エチ輸出価格引き上げへ
8月渡し分、トン100ドルアップを狙う
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:昭和電工

 酢酸エチルのアジア最大手メーカーの昭和電工は、同製品の8月の輸出価格をトン当たり100ドル引き上げる方針を固めて中国を始めとしたアジア地域の需要家各社と交渉を開始した。CFR同760〜770ドルを目指す。
 
 酢酸エチルのアジア地域における需要は、中国を中心とした需要家の在庫調整とSARSの影響によって3月以降6月末まで不振を続けてきた。これに伴い市況も2月末をピークにじわじわと下降、6月から7月にかけての平均は2月末を同100ドル前後下回る同660〜670ドルどころまで下がった。
 しかし7月に入ってから需要は明らかに上向きに転じており、8月は例年の需要期入りもあって引き合いが目立って増えてきている。昭和電工は、こうした環境の変化に対応して、原料コストのアップに伴う採算悪化を是正すべく100ドルの値上げを決めたもの。
 ただ、4月中旬から実施している徳山工場の年産15万tプラントの操業率調整は8月中旬まで継続する。インドネシアの子会社「ショーワ・エステリンド」が同5万t設備の定修を終了し稼動を再開したので、供給過剰の事態を引き起こさないための措置という。
 同社では、8月中旬以降は需要の回復によって生産調整が不要となると判断、できるだけ早い時期に同800ドルへの再是正に挑戦したいとしている。