2003年07月30日
石油コンビナート「RING」第2次計画も細目決る
参加23社、千葉、堺・泉北など5地区で17テーマに挑戦
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:旭化成、出光興産、鹿島石油、コスモ石油、ジャパンエナジー、新日本石油、住友化学、帝人、東ソー、トクヤマ、日本ゼオン、丸善石油化学、三井化学、三井武田ケミカル、三菱化学

 石油コンビナート高度統合運営技術研究組合(RING)はこのほど、平成15〜17年度の3ヵ年を実施期間とする「第2次研究開発事業計画」の細目を決定した。

 対象地域は鹿島、千葉、堺・泉北、水島、周南の計5地域。研究開発推進テーマは合計17件。参加企業は石油精製6社と石油化学など17社の合計23社。15年度の総事業費は約68億円。うち3分の2が国の補助金でカバーされる。
 
 第2次計画の研究開発テーマは次の通り。石油企業と化学企業の一体的運営による、未利用留分の相互有効活用を目的としたものが中心となっている。
 
【鹿島地区】鹿島石油、三菱化学。
◇分解オフガスに含まれている窒素酸化物等の微量不純物の徹底除去と最適なオレフィン留分の回収のための高度な統合精製技術の開発。
◇既存のエチレン装置を活用した分解オフガスの最適回収技術の開発。

【千葉地区】出光興産、出光石油化学、住友化学工業、三井化学、コスモ石油、丸善石油化学。
◇多成分のナフサ留分から高オクタン価の環境低負荷型ガソリンや石油化学原料等を製造する高効率の精密蒸留技術、および一貫した安定運転制御技術の開発。
◇石油化学副生成物を環境低負荷型燃料油基材として最適調合するシステム技術の開発。◇高付加価値の化成品等を製造できる多目的接触分解技術の開発。
◇長期の連続運転を安定的に行えるC6、C8留分副生成物(ラフィネート)の高度異性化プロセス技術の開発。
◇異性化ガソリン製造の芳香族留分阻害生成分を除去するための芳香族抽出プロセス技術の開発。

【堺・泉北地区】東燃ゼネラル石油、新日本石油精製、大阪ガス、三井化学。
◇LNGの冷熱を低温域から常温域まで順次利用し、石油精製装置オフガスの蒸留分離、炭酸ガス・ブタン等副生ガスの液化によるコンビナート原料・製品の高度利用に関わる冷熱最適利用カスケードプロセスおよび蓄冷等の技術開発。
◇水素製造装置で生成される混合ガスからの膜を用いた炭酸ガス分離回収技術の開発。
 
【水島地区】新日本石油精製、ヴィテック、三菱化学、ジャパンエナジー、旭化成、山陽石油化学。
◇LNG冷熱を用いた高純度水素の製造と液化炭酸ガスの分離を高率的に行う新たな深冷分離プロセスの技術開発。
◇製油所・石化工場間での炭酸ガス最適融通システム技術の開発。
◇液化炭酸ガスを石化工場に移送し、その冷熱を各装置で効果的に利用した後で化学原料として使用する一貫した統合利用システム技術の開発。
◇熱分解装置から生成する軽質留意分中の蒸留・吸着等による不純物除去技術の開発。
◇不純物処理システムの最適化および精製・石化の原料・製品としての有効利用するための軽質留分の統合精製技術の開発。
 
【周南地区】出光興産、出光石油化学、帝人ファイバー、東ソー、トクヤマ、徳山オイルクリーンセンター、日本酸素、日本ゼオン、日本ポリウレタン工業、三井武田ケミカル。◇分解系C4留分から環境低負荷燃料やクリーン溶剤等を高効率で製造可能な省エネ型反応プロセスの技術開発。
◇幅広い種類の原油を高効率で連続処理ができる蒸留装置および安定運転システム技術の開発。
◇コンビナート内で生じる再利用が困難な多様な廃棄物の集約回収利用技術の開発。