2003年08月06日
ベンゼンのスポット相場が各地で急騰
新日石精製の製油所の休止に反応
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:新日本石油

 大手商社筋によると、アジアのベンゼンのスポット相場が5日急騰した。指標となる韓国の5日のFOB価格はトン当たり520〜530ドルで、それまでに比べて同80ドルがらみの高騰となっている。
 これに触発されたように、米国のスポット価格もただちに急上昇している。5日の平均相場はガロン当たり162セントでそれまでの平均を25〜26セント上回っている。
 
 ベンゼンほどではないものの、トルエンとキシレンも極東で高騰している。トルエンはトン当たり440〜450ドルであったのが同500ドル前後に上がっている。キシレンは同450〜460ドルで推移してきたのが同510〜520ドルに跳ね上がっている。
 
 このようにBTX全体のスポット相場がアジアで急騰してきたのは、4日に新日本石油精製が麻里布と大阪の両製油所の操業を自主的に休止する措置を取ったことに対して多くのディーラーが迅速に反応したためと見られている。同社が運休措置に踏み切ったのは、高圧ガス保安法に基づく過去の検査と関係当局への報告に不備があったことが判明したからで、これに伴い両製油所のFCCプロピレンやBTXの装置も全てしばらくの間運休となる。これらの設備の規模は、プロピレンが年産5万5,000t、ベンゼンが同9万t、トルエンが同16万7,000t、キシレンが同34万7,000tと見られている。