2003年08月07日 |
リューマチ治療薬用ヒアルロン酸の増強活発化 |
電化、生化学、紀文、明菓など |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:大正製薬、中外製薬、電気化学工業 |
リューマチなどの関節機能改善剤の原料としてヒアルロン酸ナトリウムの需要が急速に伸びているのに対応して、各メーカーの動きが活発化している。発酵法(バイオ法)による製造技術を開発して2000年から新規参入した電気化学工業(製剤は商品名・スベニールとして中外製薬が販売)は、このほど青海工場の設備倍増工事を完了した。 また紀文フードケミファも発酵法での生産体制を鴨川事業所に完成して、6月から製薬メーカーへの供給を始めた。業界トップの生化学工業はニワトリのトサカから抽出する久里浜工場の設備倍増(来年11月完成)を7月に発表している。今後、明治製菓、キューピー、大正製薬などの計画も注目されそうである。 ヒアルロン酸化合物はひざ関節痛や慢性関節リューマチなどの治療薬、白内障の治療薬、化粧品用の保湿剤などに使われるが、発酵法は平均分子量が190万個(在来法は80万個)と高く、より生体の300万個に近づいて利用者が増大している。 また、量産によるコストダウンも大きく、薬価ベースで2.5ミリリットル入りで注射器が昨年の2,000円台からことしは2,000円を大幅に割っているため、使い勝手がよくなっているという。 各社とも設備の生産能力を明らかにしていないが、業界筋によると2.5ミリリットル入りで注射器換算で、生化学が科研製薬などへの供給分を含め1,500万本(倍増後)、電気化学が800万本、明治製菓が80万本ていどとみられ、他を含めると約2,000万本の国内需要をかなり上回る。しかし、輸出はすでに世界18カ国にに及び、引き合いもふえているので、需給のバランスについては当面、楽観視されている。 |