2001年12月04日
ポリエチレンメーカー、非汎用品種の育成に懸命
独自のグレードで事業基盤の改善・強化目指す
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:旭化成、住友化学、デュポン、東ソー、日本ユニカー

 ポリエチレンメーカーの間で、非汎用品種の開発と育成にこれまでにない多くのエネルギーを投入するところが急速に増えてきた。“高付加価値品種”、“差別化品種”、“高機能品種”--等々、表現は企業によって異なるが、共通しているのは、他の企業の製品や他の素材などにない品質や機能を持つ独自の品種を拡充することによって事業基盤を大幅に改善・強化したいとの考えを明確に打ち出している点だ。
 
 これまでも、ポリエチレン業界、特に高圧法低密度ポリエチレン業界の中には日本ユニカーや三井・デュポンポリケミカルのように特殊グレードに的を絞るかたちで事業を展開するところも一部あった。しかし最近は、高密度ポリエチレンを含めたポリエチレン部門全体で非汎用品種の構成比率の向上に必死で取り組むところが相次ぐようになってきている。
 旭化成、住友化学工業、東ソーなどが特に積極的と言える。いずれも、厳しくなる一方の国際生存競争を生き抜いていくには、海外の巨大化学資本が手がける製品やPE以外の素材などに簡単に置き換えられる心配のない独自の品種をできるだけ多く持つようにするほかないとの考えが根底にある。現在の特殊品種の構成比率(いわゆる特化比率)は25%どころだが、遅くとも5年後には40数%に引き上げたいというところが多い。こうした戦略で、各社が新たな市場をどのようにして切り開いていくかが注目される。