2003年08月11日 |
フラットヤーンの輸入比率が一段高まる |
今年1〜5月の累計では64.0%に |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品 【関連企業・団体】:なし |
フラットヤーンの全消費量に占める輸入品の比率が一段と上がってきた。日本フラットヤーン工業組合の調べによると、今年1月から5月までの同製品の輸入通関数量(金属や皮革製などの付属品を除く正味重量)は3万4,937tで、同期間における国内総消費量に占める割合は64.0%となっている。昨年の年間平均に比べると2.5ポイント高い。前々年に対しては5.8ポイントもの上昇となっている。 過去数年の輸入比率は、平成7年が43.1%、8年が47.6%、9年49.0%、10年が49.7%、11年が53.6%、12年が55.1%、13年が58.2%、14年が61.5%--と推移してきた。今年はさらに拡大の傾向をたどっていると言える。プラスチック加工製品の中でも最も高い輸入比率となっている。フラットヤーン製品の総需要量は着実に増加しているが、輸入品の伸びが輪をかけて大きく、その結果、国産品は年々シェアの縮小を余儀なくされているわけ。ちなみに、今年1〜5月トータルの輸入品の対前年同期比は112.6%であり、一方の国産品は97.2%となっている。このような急速な輸入拡大現象をもたらしている最大の要因は、価格が常に国産品をかなり下回ってきたことにあると見てよい。 こうした中で注目されるのは、輸入品のほとんどが中国製品で占められている点だ。今年1〜5月の累計の3万4,937tのうち中国品は3万142tを占めている。構成比は実に86.3%にもなる。前年同期に対する伸び率も16.2%と高い。 つまりは、フラットヤーン製品も家電や日用雑貨などの量産型製品と同様に中国品の急速な台頭によって市場の多くを占有されてきているということになる。国産メーカーがこうした傾向にどういった手を打っていくかが注目される。 |