2003年08月12日
中国でカーバイド法VCMの生産体制が拡大
今年内に年産50万tが増強される見通し
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 大手商社筋によると、VCMならびにPVCの大量消費国でもある中国でカーバイド・アセチレン法によるVCMの増産が始まった。これまで必要量の2割前後をエチレン法VCMの輸入に依存してきた中国のPVCメーカーやクロルアルカリメーカーが、需要の大幅増に対処して、休止中のカーバイド法設備の稼動を再開するなり、あるいは新・増設するなりして自給能力を高める方向を目指し始めたもの。
 
 昨年末までのカーバイド法設備の総能力は年産約210万tであったと想定されているが、今年末にはそれが260万tに拡大される公算が濃厚という。カーバイド法VCM設備の新・増設に合わせて、PVCの増産体制の構築に取り組むところも出てきている模様。
 ただし、石灰や石炭の産出地がかなり内陸(西部)に偏っているので、増産体制が整えられる地域は自ずと限定される。また、塩酸が十分に確保できるかどうかも疑問だとする向きもある。
 なお、中国の昨年のVCMの総需要量はおよそ330万tで、うち70万tが日本を始めとした近隣アジア諸国からの輸入品で占められたと見られている。