2003年08月18日
環境省、温暖化対策税の素案をまとむ
中環審が検討し、28日に正式な報告書に仕上げる
【カテゴリー】:環境/安全
【関連企業・団体】:環境省

 環境省は18日、中央環境審議会総合政策・地球環境合同部会の地球温暖化対策税制専門委員会を開き、同省でまとめた温暖化対策税制に関する報告素案「温暖化対策税制の具体的な制度の案~国民による検討・論議のための提案~」の内容を説明して討議を求めた。

 同素案は、(1)地球温暖化問題についての認識、温暖化対策税制の特徴(なぜ温暖化対策税を検討するのか)(2)税の性格、課税要件(何に対して課税し、誰が納付するのか)(3)税負担の軽減についての考え方(対策を積極的に実施してきた人や企業などもなお課税義務を負うのか)(4)税収の使途についての考え方(5)既存のエネルギー関係諸税との関係についての考え方(6)温暖化対策上の効果および経済等への影響--の6項目で構成されている。  

 このうちの経済等への影響については、05年から炭素1トン当たり約4万5,000円を課税した場合と、同3,400円の課税とした場合の両方を例に取っての試算結果を示している。4万5,000円の課税のケースでは、ガソリンや灯油は1リットル当たり30円程度、石炭は1キログラム当たり29円ていど、天然ガスは1立方メートル当たり25円ていどそれぞれ値上げされることになり、その結果2010年ごろのGDPは何も追加的な対策を講じなかった場合に比べて0.16%ていど引き下げられるとされている。また、3,400円の課税の場合は、それぞれ2円ていどの値上がりとなり、その結果GDPは同0.06%引き下げることになると想定されている。

 この日の会合では、委員の間からは“温暖化対策が急務である点をもっと強調すべきだ”といった発言や、“新たな税制によって経済に対するプラス効果が出る点もきちんと指摘すべきだ”などの提案が相次いだ。その結果、飯野靖四委員長(慶応大学教授)が素案を部分的に修正して28日に再度開催する同専門委員会に諮って最終報告案とすることになった。