2001年12月03日
積水化学、事務機器分野から撤退「自動車分野強化」へ再編
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:積水化学工業

 積水化学工業高機能プラスチックカンパニーは3日、事務機器分野で受注量が激減し、収益が悪化してきたため、同分野の部品供給事業から撤退し、自動車分野への部品供給事業を強化することを骨子としたプラスチック成型品の部品供給事業再編を決めたと発表した。

 同社はプラスチック成型品の部品供給事業を、事業運営を精密・産業用品事業部で行い、生産・販売・開発を関連子会社の「積水テクノ成型東日本株式会社」で行っている。
 
 主な製品は事務機器分野/複写機やプリンタ一の外装部品や内装部品、自動車分野/オーバーフェンダーなどの外装部品、コンソールボックスなどの内装部品となっている。
 
 事務機器分野では、複写機やプリンタ一等の大手事務機器メーカーが海外生産比率を高めている。それに伴い受注量は大幅にダウンし、今後もこの傾向は続くと予想される。このため2002年3月限りで事務機器分野の部品供給事業から撤退する。その主力生産拠点である藤枝工場も2002年5月末に閉鎖する。
 
 一方、自動車分野では年々厳しさを増すユーザーからのコストダウン要請への対応力と開発力の強化を狙いとして、成型から塗装までの一貫生産ラインをもつ三重工場の新設によるコスト競争力の強化と開発体制の充実をはかる。
 
 自動車分野の部品供給事業の強化については
(1)自社内で成型から塗装までを行う一貫生産ライン体制を導入することで、生産効率アップや物流費等削減によるコスト競争カの強化をはかる。

(2)コンカレントエンジニアリングを中心とした開発体制の強化により、ユーザーへのVA提案の強化と開発期間の短縮をはかる。

(3)大型成型品への対応を目的として、大型成型機2台(型締め圧力3,000トンと2,500トン)を導入する。