2003年08月20日
アジアのオレフィンのスポット相場が上昇
ナフサ高と相次ぐ石化プラントトラブルが影響
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:なし

 大手商社各社によると、アジア地域におけるエチレンとプロピレンのスポット相場がともに急上昇してきた。
 直近のエチレンのスポット価格はトン当たりCFR460〜470ドル、プロピレンは同560〜570ドルとなっている。この1週間の間にいずれも同40〜50ドル上がったことになる。

 この要因は、最近のナフサのスポット相場の上昇とアジア地域におけるエチレンプラントの相次ぐ操業トラブルによる需給の変化の2点にあると見られている。前者の場合は、一時期極東向けの契約価格がトン当たりC&F300ドル台に乗るなど再度急騰してきたことによるもの。一方の後者に関しては、わが国の石油化学ならびに石油精製企業の間で高圧ガス保安法の規定違反に伴う操業休止が相次いだのに加え、韓国やアセアン諸国でもエチレンプラントの操業トラブルが続発したことが大きく影響していると見られる。
 アジア地域全体のエチレンプラントのトラブルの完全解消にはなお3週間ていどかかるとの見方が有力であり、このためオレフィンのスポット相場は今後も小幅上昇を続ける公算が濃厚となっている。多くの商社は、遠くない時期にエチレンは同500ドル台に、プロピレンは同600ドル台に乗ると予想している。