2001年12月03日
「化学物質と環境円卓会議」が3日に発足
川口環境相も出席、初回から各メンバーが活発に発言
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:環境省

 環境省環境保健部の企画による「化学物質と環境円卓会議」の第1回会議が3日、東京・千代田区の主婦会館プラザエフで開催された。
 同会議は、小泉首相主宰による「21世紀『環の国』づくり会議」が今年7月にまとめた報告書の中で“化学物質による環境汚染に対する国民の不安を解消するためには行政、産業、市民が情報を共有し、共通認識を持って合理的な行動が取れるような社会的枠組みを作ることが必要”との提言が行なわれたのを踏まえて環境省が新設を企画したもの。
 
 メンバーは、市民、産業、行政の各分野の代表に学識経験者を加えた合計22人で構成されている。この日の会議には20人が出席した。
 会議の冒頭、川口順子・環境大臣が挨拶に立って「皆さんで大いに議論していただいて、その結果化学物質と環境リスクの低減について共通の認識が得られ、それが今後のわが国全体の環境保全に大きく寄与していくことになるのを期待している」とスピーチし、続いて北野大・淑徳大学教授の司会でメンバー各氏がそれぞれの同問題への取組みの現状を紹介するとともに今後の課題などについての見解も披露した。
 各氏とも持ち時間を若干オーバーするほど熱を込めて発言したが、その中で多くのメンバーが「“リスクコミュニケーションとは何か、またリスクコミュニケーションはどうあるべきか”について十分な論議が必要」と指摘、このため、来年1月末か2月はじめに開く第2回会議ではゲストを招いて集中的にディスカッションすることで意見の一致をみた。

 川口大臣の挨拶=「化学物質はいまや人の暮らしに不可欠な存在となっているが、その反面、人の健康や生態系に有害な作用を及ぼすケースもある。特に最近は、内分泌かく乱問題がクローズアップされたのに伴い市民の間に化学物質に対する不安が高まっている。こうした中で大切なことは、市民、産業、行政の3者の代表が集まって化学物質の環境リスクの低減に関する情報を共有して共通認識を持つことだ。このため環境省では、市民や関係産業界の皆さん、さらには学識経験者などに円卓会議への参加をお願いしたところ多くの方々が快く引き受けて下さり本日第1回会議を開くことができた。大いに議論していただき、その結果化学物質と環境リスクについて相互理解と共通認識が得られ、それが今後のわが国の環境保全に大きく寄与していくことになるのを期待している。