2003年08月25日
タカラバイオ、活性化リンパ球数万倍に拡大培養の新技術
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:タカラバイオ

 タカラバイオ(加藤郁之進社長)は25日、組換えヒトフィブロネクチン誘導体をコートした培養容器を用いることによって、養子免疫療法などに用いる活性化リンパ球を、数万倍に拡大培養できる技術を開発したと発表した。新技術の詳細は、9月26日に名古屋で開催される日本癌学会総会で発表する。

 がんの治療には、外科手術、放射線治療、抗がん剤を用いる化学療法などが併用されているが、「活性化リンパ球療法」と呼ばれるがん免疫療法は、がん患者のリンパ球を抗CD3モノクローナル抗体で刺激し、インターロイキン2存在下で患者の体外(細胞培養用のバッグなど)で増殖させることによって得られた活性化リンパ球を再び患者に戻し、がん細胞に障害を与え結果的にがん細胞を破壊する治療法。
 
 一般的に、大量に増やされた活性化リンパ球は、2週間間隔で6回程度、患者に投与される。活性化リンパ球は患者自身のもので、副作用が非常に少ないことがこの治療法の特徴となっている。同社は、水町重範医師と共同で、活性化リンパ球療法を含めたがん免疫療法を行う医療機関を支援するため、ミズマチ・タカラバイオ社を7月に設立した。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/030825takara.doc