2003年08月26日
PVCの対中輸出価格、9月分は30ドル前後の底上げ
クリスマス商品向けを中心に需要が回復
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:大洋塩ビ、東ソー

 信越化学、大洋塩ビ、鐘淵化学工業などPVCメーカーは、先週末までに相次いで中国のPVCユーザーやトレーダー筋との間で9月分の価格交渉をまとめた。それによると、トン当たりのCFRベースの契約価格は610〜620ドルとなっている。
 
 8月渡し分の価格に比較すると、9月分は30ドル前後のアップとなる。8月分については中国側の強い値下げ要求を各社とも押し戻せず7月分を20ドル下回る結果となったが、9月分は8月分にとどまらず7月に対しても10ドル内外高いレベルとなった。
 これは、中国国内のPVCの需給バランスがPVC製クリスマス商品の駆け込み生産もあって再びタイト化してきた点を睨んで日本のPVC各社が値上げの受け入れを強力に求めたのが効いてのもの。
 今年のボトルの5月分に比べると70ドル前後の改善となる。ただし、ピークの3月に対比すると100ドル安い。
 
 一方のVCMの場合も、中国からの引き合いがこれまでになく活発になっている。対中輸出でも最大のシェアを持つ東ソーでは、この機を捉えて9月分の輸出価格を再度引き上げたい考え。8月分は同510ドル強であったが、PVCの需要が旺盛なので上乗せは可能と見られる。