2001年12月03日
汎用樹脂の中国向け輸出、10月は一転して多くが前年超え
1~10月の累計もHDPE、PP、PVCが前年を上回る
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:財務省

 汎用樹脂の10月の中国向け輸出(香港向けを含む)は久方ぶりに活発で、財務省の集計による通関数量は、5樹脂のうちPSを除く4樹脂が前年同月を上回った。
 5樹脂のうち4樹脂が前年を超えるのは、今年に入ってからは3月に続いてこれが二度目。他の8ヵ月とは様相がかなり異なる。この中では、HDPEの75.7%増が特に目立つ。PPの場合はホモポリマーもコポリマーもともに前年を上回った。
 
 この結果、1~10月の累計も、5樹脂のうちHDPE、PP、PVCの3樹脂が前年同期の実績を上回った。LDPEは、9月までの不振が響いてプラスに転じるに至らなかった。PSは5ヵ月連続の前年割れである。
 
 もっとも、大手商社や汎用樹脂業界によると、中国からの注文は11月以降激減しているという。それには、活発な10月の輸入によって、在庫が必要以上に蓄積されたことがあるていど影響していると分析する向きが多い。

 各樹脂の10月と1~10月計の対中国向け輸出通関数量は以下の通り。かっこ内は前年比。
 [10月]
 ▽LDPE= 16,859トン(112.8%)
 ▽HDPE= 17,341トン(175.7%)
 ▽PP-H= 12,944トン(132.2%)
 ▽PP-C=  6,580トン(124.4%)
 ▽PP計 = 19,524トン(129.5%)
 ▽PS  = 13,455トン( 72.9%)
 ▽PVC = 54,225トン(106.6%)
 
 [1~10月計]
 ▽LDPE=128、250トン( 87.6%)
 ▽HDPE=119,673トン(104.6%)
 ▽PP-H=125,203トン(109.0%)
 ▽PP-C= 41,584トン(117.6%)
 ▽PP計 =166,787トン(111.1%)
 ▽PS  =132,816トン( 86.2%)
 ▽PVC =524,616トン(105.1%)