2003年09月02日
宇部興産、最先端回路基板事業に参入
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:宇部興産

宇部興産は2日、次世代事業開発の一環として、千葉石油化学工場内にCOF(チップ・オン・フィルム)基板のセミコマーシャル製造設備を完成し、同事業分野に本格参入したと発表した。

 COF基板は、ポリイミドと銅箔を主原料とし、フラットパネルディスプレイ(FPD:液晶パネル、プラズマディスプレイ、有機ELなど)のIC実装や半導体パッケージ用として使用される。ブロードバンド(高速大容量)時代の到来による電子部品の小型化・低背化の流れを背景に、マルチチップモジュール用基板やFPD用の高密度実装部材として高精細COF基板の需要が高まりつつある。

 同社は、コア事業のひとつである機能性材料事業で、ポリイミドを用いた材料を主力製品に位置付けている。TAB(テープ・オートメーテッド・ボンディング)向けフィルムでは圧倒的シェアーを維持、FPC(フレキシブルプリント基板)用材料として2層CCL(銅張積層板)を製品化し、事業を強化・拡大してきた。
 
  川下の回路基板分野では、とくに両面・多層といった最先端回路基板の開発を進めてきたが、需要が本格化するとみて事業化方針を固め、設備を建設、完成した。川下展開を図ることにより、フィルム等素材の品質改良につなげ、基板業界にトータルソリューションを提供する。売上規模として、2005年度に15ー20億円程度を見込んでいる。