2003年09月03日
三菱化学、環境負荷調査は68物質対象
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:三菱化学

 三菱化学は3日、同社が使用している化学原・材料のすべてについて環境負荷物質が含まれていないかどうかを調査し、ユーザーの要請に応じて実態を開示していくことにしたと発表した。

 調査の対象に取り上げる原材料の数はおよそ2万種。含有しているかどうかを調べることにしている物質は合計68物質。68物質の中身は、化審法、労安法、POPs条約、欧州RoHS指令、同ELV指令などの内外の各種法規制に基づいて管理・把握すべきだと同社が判断したPCB、ダイオキシン、鉛、水銀、カドミウム六価クロム、特定臭素系難燃剤、オゾン層破壊物質など。これらの物質を、三つのランクに分類(例えば化審法や労安法などで製造・輸入が禁止されている物質はランク1、鉛、水銀、カドミウム、六価クロムはランク2とする)、それぞれについて購入から製品にして納入するまでのすべての過程で調査を実施して状況を把握していく。

 そして、自動車メーカーや電子・電機メーカーなどユーザーから要請があれば、これらの物質を使用していないことの保証書や含有量報告書などを提出していくことにしている。03年度中に作業を完了、順次グループ企業にも同じ活動を広めていく。

 最近は、内外の家電メーカーや自動車メーカーの多くが、使用する化学製品に含まれる化学物質が環境に負荷を与える恐れがないかどうかに強い関心をよせている。三菱化学は、そうした多くのユーザーに広く的確な情報を提供していくことにした。世界でも初の試みだけに、需要業界の注目を集めそうだ。