2003年09月04日 |
経産省の「プラ製光ファイバー」開発に積水など名乗り |
【カテゴリー】:行政/団体 【関連企業・団体】:積水化学工業、富士写真フィルム、財務省、NEDO |
経産省化学課は、来年度の技術テーマとして「高機能プラスチック光ファイバー」の開発研究に取り組むことにし、財務省への概算要求に2億円を盛り込んだ。ブロードバンドの普及とともに需要が拡大している光ファイバーの芯材を、現在のガラス繊維からアクリル系の高機能プラスチックに置き換え、配線工事がより簡単に、低コストでできるようにするのが狙い。 光ファイバーは、外側の被覆にはプラスチック(主としてHDPE)が使用されているが、芯材の部分は光の屈折率や、伝送高率に優れたガラス材が使われている。しかしガラスには施工性に難点があり、直線の配線には適していても、折れ曲げができない。このため構造の複雑なビルのオフィスや、家庭内の配線には対応しにくく、途中で銅線などに切り替えているのが現状だ。 そこで同課では、来年度からの新規プロジェクトとして「プラスチック製光ファイバー」の開発研究に挑むことにし、準備に入った。一番の課題である光の屈折率問題は、ナノオーダーで制御した高性能樹脂と加工技術を開発して解決する。 化学課ではNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)を通じ、補助事業として実施する予定。開発期間は3ヵ年で初年度予算は2億円。同省が戦略的に推進している「フォーカス21」プロジェクトとも連携させる。 化学業界の期待は大きく、すでに富士写真フィルム、富士ゼロックス、積水化学工業、日立電線などの各社、また大学からも東北大学や慶応大学などから、プロジェクトへの参加に強い意向が寄せられているという。 |