2003年09月05日
大阪府、三井化学大阪工場の安全性には問題なしと公表
エチレン装置など5施設の稼動は支障なしと判定
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:三井化学

 大阪府は5日、三井化学大阪工場に対して実施した立入検査の結果を明らかにした。これは、同工場が実施した保安検査に虚偽の報告があったため施設の安全性の確保を目的に8月18日から9月5日までの延べ12日間にわたって立入検査を行った結果をまとめたもの。
 
 それによると、「高圧ガス製造設備は法令に規定されている技術基準に全て適合しており、安全性に問題はなかった」と指摘、そして、今回の虚偽の報告を踏まえて同社が操業を停止しているエチレン装置や半導体用ガス製造装置、さらには尿素、アンモニア装置のうちのエチレン装置と半導体用ガス製造装置については「15年度の保安検査が完了していて、府としても安全性が確認できたので施設の稼動にあたって安全上支障がないと判断した」と付け加えている。残りの尿素とアンモニア設備の場合は、保安検査の完了後に結論が下されることになる。
 これに伴い、同工場のエチレンなど主要石油化学設備は同社が決断すれば近く稼動を再開できることになる。ただし、関連装置全体のクールダウンに3〜4日が必要で、またナフサを注入して適正なレベルまで分解・精製能力を引き上げて安定的に操業していけるまでにはさらに数日がかかる見通し。
 なお大阪府は、今回の立入検査の結果をまとめるに当たって同社に対しては「事業所内全体の遵法精神の周知徹底および保安管理体制の強化を図るよう指示した」ことも明らかにしている。