2003年09月10日
三井化学、BP-Aの輸出価格の値戻しへ
10月出荷分からトン100ドルアップ
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学は10月1日の船積み分からBP-A(ビスフェノール-A)の輸出価格をトン当たり100ドル引き上げる方針を固め、アジア各国のユーザー各社に通告するとともに説得を開始した。

 これは、主力原料ベンゼンの国際価格の上昇に対処しての措置。同社のBP-Aのアジア地域のユーザーは、主として東南アジア諸国のPC(ポリカーボネート)メーカーと中国のEX(エポキシ樹脂)メーカーとで構成されている。今回は、そうした各地のユーザー全てを対象に同じ幅の値上げの受け入れを求めていく。CFRトン当たり1100〜1150ドルへの底上げを目指す。

 同社によると、ベンゼンの7〜9月期の国際価格はトン当たり422ドル平均となっているが、10〜12月期は450〜500ドルに上がるのが避けられなくなっている。つまり、最低でも4〜6月期のレベルまで再騰するのが必死の見通しにあるとの判断であり、したがってこれに対応していくにはBP-Aの輸出価格も4〜6月期の水準まで戻すことがどうしても必要といしているわけ。したがって今回は値戻しにすぎず、原料の高騰に対応したものだけにユーザー各社の理解は充分得られるはずと判断している。

 そうした同社にとって、当面のアジア地域全体の需給バランスが極めてタイトな状況にある点は格好の追い風と言える。需要が再び活発化する傾向にあるのに加えてアジア地域でBP-Aのプラントが相次いで定期修理に入る見通しにあるからだ。こうした点を視野に入れて他のBP-Aメーカーも近く値戻しを打ち出すことになろう。