2003年09月11日
中国の汎用樹脂輸入、目立つ日本品の減少
7月はPPを除いて5樹脂が前年を下回る
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 大手商社の調べによると、中国が7月に輸入した汎用樹脂のうちの日本品の通関数量は合計6樹脂中5樹脂が前年同月を下回る規模にとどまった。またシェアも、LDPE、PS、PVCの3樹脂がランクダウンするなどで全体に地盤の低下が顕著になりつつあると言える。
 
 中国による汎用樹脂の輸入は、SARS問題の終息以降、LDPEを除いて全体に回復傾向にある。各樹脂の7月の通関数量と対前年同月比は、LDPEが11万6,878tで66.9%、HDPEが19万7,050tで99.4%、PPが26万360tで145.0%、PSが12万022tで96.4%、PVCが13万4,003tで120.5%、ABSが15万4,348tで109.7%--となっている。LDPEを別にして、SARS問題の終息とともに回復の傾向をたどり始めているというのがわが国の大手商社に共通した見方となっている。
 ところが日本品の輸入通関数量は、LDPEが8,702tで63.8%、HDPEが1万006tで96.6%、PPが2万508tで130.9%、PSが7,469tで55.6%、PVCが2万9,019tで97.0%、ABSが1万3,980tで95.2%--と依然低迷が続いている。
 これに伴う各樹脂の市場占有ランクは、LDPEが第6位、HDPEが第4位、PPとPSがともに第5位、PVCが第2位、ABSが第3位--となっている。先月まで第1位を維持してきたPVCが第2位にダウン、またLDPEは2ランク、PSは1ランクそれぞれ下がっている。
 
 また、今年1月から7月までの累計も、前年同期とはかなり様相を異にしている。6樹脂のうちLDPE、HDPE、PS、PVCの4樹脂が前年同期を下回っており、残るPPとABSも伸び率はそれぞれ0.7%と0.4%に過ぎず事実上横並びにとどまっている。