2003年09月12日
新日石、水産廃棄物を「硫黄固体化」漁礁を製品化
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:新日本石油

 新日本石油は12日、東京水産大学、気仙沼地区漁業協同組合と共同で、水産廃棄物である「かき」や「ホタテ」の貝殻を硫黄で固め、漁礁・藻礁として有効活用するための実証試験を、同日から気仙沼大島沖で開始したと発表した。研究は農水省からの補助金事業として進めてきた。
 
 硫黄は、常温では水に溶けず、化学的にも安定しているが、120〜160℃に熱すると溶解し、冷えると再度固化する性質をもっている。同社では石油製品の低硫黄化によって副生が増す硫黄の新たな需要開拓が課題となっていた。
 
 同社はすでに1997年から硫黄の固体化研究を始めてきた。99年からは海中試験に取り組んできた。硫黄固体化などの製造設備は、新日石精製の室蘭製油所に完成した。12日からはコンクリート製の漁礁、天然石とともに海中に沈め、着藻性や強度、環境への影響評価などを行なう。合わせて製造技術や事業性についての評価も行い、水産廃棄物と硫黄のベストミックスによる、環境にやさしく安価なリサイクル製品として商品化を目指すとしている。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/030912shinnihonsekiyu2.tif