2003年09月17日
旭硝子財団、地球環境問題のアンケート調査結果を発表
回答者の多くが危機意識を強める
【カテゴリー】:環境/安全
【関連企業・団体】:旭硝子

 旭硝子財団は17日、同財団が実施した第12回「地球環境問題と人類の存続に関するアンケート」の調査結果を発表した。

 今回の調査時期は今年4月から6月までの3ヶ月。調査対象は、世界各国の政府・自治体、非政府組織、大学・研究機関、企業などで環境問題に携わっている有識者。調査票の送付数は4,479。回収人数は101カ国合計806人。回収率は18.0%であった。

 今回の調査では、(1)環境危機時計(人類存続の危機に関する認識)(2)環境意識の変化と環境問題に関する報道(3)地球温暖化防止(4)代替エネルギーの開発費用およびコスト低減対策(5)ヨハネスブルグ・サミットの評価(6)「アジェンダ21」の進捗状況ーーの各項目について回答を求めた。

 当日会見した森島昭夫・同財団理事(地球環境戦略研究機関理事長)は、今回の調査結果について、「これまで以上に危機意識を強めているとの回答が多かったこと、さらには、化石燃料に環境課税を課すべきとの回答が多くを占めたことなど、注目すべき結果が得られた」と述べ、大きな意味を持つアンケートであった点を強調した。

 主な調査結果の概要は以下の通り。

[環境危機が時計(人類存続の危機に関する認識)]

 全回答者の平均は、昨年に比べて時計の針が10分進んで9時15分となり、これまでで最も危機意識が高い。理由としては、先進地域では「地球温暖化」が、また途上地域では「森林破壊・砂漠化・生物多様性の減少」 が挙げられている。

[環境意識の変化と環境問題に関する報道]

 環境意識は3年前に比べて「向上している」との回答者が日本で67%、海外合計で64%と高かった。積極的に報道すべき項目としては、先進地域が「地球温暖化」を、また途上地域が「森林破壊・砂漠化・生物多様性の減少」を挙げている。

[地球温暖化防止]

 温暖化防止に効果的な課題として「京都議定書に参加していない国の参加を求める」との回答が最も多く、また、「先進国は自国での削減対策を優先すべし」との回答も最大多数を占めた。

[代替エネルギーの開発費用およびコスト低減対策]

 開発費用については、先進地域では「政府が補助金を出す」が、また途上地域では「国際基金が開発を支援すべき」との回答が多かった。一方、コストが化石燃料よりも割高な場合の対策として、日本と西欧を除く世界の各地域で「代替エネルギーの使用にインセンティブを与える」が1位を占めた。ただし、日本と西欧では「化石燃料に環境税を課す」が1位となった。