2003年09月19日
ポリオレフィンのフィルム品種の需要不振が続く
春以降8月まで軒並み前年同月割れ
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 ポリオレフィン3樹脂の主力品種であるフィルム用グレードの出荷不振が長期化してきた。8月も軒並み前年同月の実績を割り込んでおり、この結果、LDPEとHDPEのフィルム用品種の前年同月割れは4月以降5ヶ月連続となった。PPは5月以降4ヶ月連続の前年割れである。
 
 ポリオレフィン3樹脂のフィルム用品種の8月の出荷数量は、LDPEが5万9,100tで前年同月の2.3%減、HDPEが2万4,700tで同3.2%減、PPが3万6,700tで同9.8%減--となっている。PPフィルムの縮小幅の大きさが特に目を引く。これまでにない大幅な落ち込みで、これにはOPPが10.2%減って2万tにとどまったことが大きく影響している。一方、中国などからの輸入の増加が続いているHDPE製極薄・強化フィルムは2万1,800tで同3.2%減となっている。
 
 ポリオレフィンメーカーの多くは、こうした8月の不振の最大の要因は冷夏の影響による包装材料全体の需要の縮小にあると分析している。
 この結果、各樹脂のフィルム用品種の1月から8月までの出荷累計は、LDPEが52万5,700t、HDPEが22万6,700t、PPが33万2,600tとなった。前年同期に比べると、LDPEフィルムは1.7%増、HDPEフィルムは1%減、PPフィルムは1.1%増ということになる。いずれも1〜3月の貯金が効いてかろうじて前年並みにとどまっているが、今後の海外品の流入次第で年計が前年を割り込むことになりかねない。