2003年09月22日
汎用4樹脂の出荷の1〜8月累計、PPだけが着実な伸び
LDPEは横並び、HDPEとPSは前年を下回る
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:経済産業省

 汎用4樹脂それぞれの今年1月から8月までの総出荷数量は、PPこそ前年同期を上回ったものの、LDPEは前年のほぼ同レベルにとどまり、HDPEとPSはともにマイナス成長となった。
 
 PPの1〜8月の累計は前年同期を3.3%上回っている。厳しい経済環境を考慮すると良好な成長率と言える。しかしこれは、輸出が26.3%もの伸びを遂げたことが大きく作用してのもの。国内向けは1.0%増にとどまっている。昨年末に経済産業省製造産業局がまとめた今年のPPの国内向けの需要の伸び率は3.3%であったが、これまでのところその予想を大きく下回るペースとなっている。
 LDPEの総出荷量は0.8%増なので、ほぼ前年同期の横並びということになる。同樹脂の場合は、PPと逆に輸出が5.5%減のマイナス成長となったが、国内向けが1.8%増となったためトータルではかろうじて前年同期をしのぐかたちとなった。もっとも、国内向けの伸び率は当初の経産省の年間予想伸び率に比べると0.7ポイント低い。
 HDPEの総出荷量は1.4%減で、ポリオレフィン3樹脂の中で唯一前年同期を下回っている。輸出が4.1%縮小したこともさることながら、肝心の国内向けがフィルム品種の需要不振で0.8%減となったのが響いている。経産省が予想した同樹脂の国内向けの前年比は1.4%増であったが、今のところその予想をかなり下回るペースとなっている。
 PSの総出荷量は6.8%減で、同樹脂メーカー各社の予想以上の落ち込みとなっている。国内向けは0.2%減なのでおおむね横並びと言えるが、輸出が46.2%もの減少となったのが響いている。もっとも、輸出の大幅減は日系資本による大型PS工場の立ち上がりによるもので、あるていどの減少は織り込み済みと指摘する向きもある。
 各樹脂の今年1月から8月までの出荷の合計数量は次の通り。かっこ内は前年同期比。
 ▽LDPE 国内 1,012,911(101.8%)
     輸出 154,153( 94.5%)
     合計 1,167,054(100.8%)

 ▽HDPE 国内 621,375( 99.2%)
     輸出 133,370( 95.9%)
     合計 754,745( 98.6%)

 ▽PP  国内 1,632,975(101.0%)
     輸出 161,992(126.3%)
     合計 1,794,967(103.3%)

 ▽PS  国内 593,005( 99.8%)
     輸出 53,126( 53.8%)
     合計 646,131( 93.2%)