2003年09月22日
タカラバイオ、遺伝子挿入部位の高精度モニタリングに成功
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:タカラバイオ

 タカラバイオ(加藤郁之進社長)杷22日、同社のバイオ研究所が、レトロウイルスベクターを用いた遺伝子治療において、遺伝子治療後の患者体内の遺伝子導入細胞の存在状態や挿入部位をモニタリングする手法として用いられているLAM(Linear Amplification-Mediated)-PCR法の重大欠陥を克服した新しい方法(タカラバイオLAM-PCR法)を開発したと発表した。詳細は名古屋で開催される日本癌学会総会で9月26日に発表する。

 レトロウイルスベクターを用いた遺伝子治療では、レトロウイルスベクターの性質に由来して、ゲノム上の遺伝子挿入部位が特定の部位に限定されないため、挿入部位の違いによって遺伝子導入細胞に異常が生じるのではないかと一部で危惧されている。

 この対応策の一つに、遺伝子導入クローンの存在状態や挿入部位をモニタリングする手法であるLAM-PCR法が開発された経緯がある。しかし、これまでのLAM-PCR法(従来法)では、遺伝子導入細胞が少ない場合、不均一で偏った遺伝子増幅が引き起こされ、多数のクローンのうち特定のクローン由来の遺伝子断片だけが増幅されることが明らかとなっている。
 
 そこで、同社は、遺伝子治療の安全性の向上を更に追及するためには、LAM - PCR法の精度の向上が必要であると考え、不均一な増幅の回避、あるいは、検出感度や再現性の向上を目指して、LAM - PCR法の改良を行い、従来法より優れたタカラバイオLAM-PCR法を開発してきた。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/030922takarabio.doc