2003年09月24日
アジアのMMAの需給、一段と逼迫へ
日本と台湾でモノマー設備が相次ぎ定修入り
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:旭化成、住友化学、三菱ガス化学、三菱レイヨン

 アジア地域におけるMMAモノマーと同ポリマーの需給バランスが10月から11月にかけて一段と逼迫するのが必至となってきた。透明ABS向けや導光板向け等に需要が拡大の一途をたどっている中で、日本と台湾で同モノマーメーカーが相次いで定修を実施するため供給力が大幅に縮小する見通しにあるからだ。

 この秋に同モノマーの定修を実施するところは、住友化学の全額出資会社のシンガポールメタアクリル(SMM)、三菱レイヨン、旭化成、三菱ガス化学、台湾のKMCの計5社。このうちのSMMは、8月中旬から実施していた年産5万3,000t装置の定修を先週半ばに完了して現在は再びフル稼働に入っている。

 しかし、10月に入ると残る4社が相次いで1カ月前後運休して定修に入る。三菱レイヨンが6日から大竹工場内の10万7,000t設備を運休するのを皮切りに、旭化成が14日から川崎の10万tプラントを、そして三菱ガス化学がほぼ同時期に新潟の4万1,000t設備をそれぞれ休止して定修を実施する。

 一方台湾では、10月末からKMCが3週間にわたって定修のため運休する予定。しかも台湾では、これに先駆けてFPCが、ANプラントの増強工事に合わせて今月末から合計2系列のMMAモノマープラントのうちの1系列を停止しているとも伝えられる。

 MMAモノマーの需給バランスは、今年に入ってから逼迫度合いが月を追って強まってきている。10月から11月にかけてはさらに深刻になる見通しであり、これに伴いアジア地域全域では同ポリマーや透明ABSなどの誘導品の品不足が一段と進むと見られる。